全国常連コーチによる高校サッカー戦術

高校サッカーまたはそれ以下の年代で使える戦術、原則について深堀しています。あくまで私個人の意見です。参考にしていただいたり、意見を頂けると幸いです。

育成年代はどこまで戦術を教えるの?

 

 育成年代において、どこまでを教えて、どこまでを縛って、どこまでを自由にするのかということは、古今東西での議論の対象ではないでしょうか。

 

 明治大学出身の選手に話を聞いたところ、明治大学のボールトレーニングは対人のみで、1vs1、2vs2、3vs3だけで1時間以上かかることがざらにあるそうです。

 考え方として、『ピッチに立つ11人が1vs1で負けなければ、試合に負けることはない。』

 ということだそうです。

 1学年13名前後のみの選りすぐりの選手が4年間対人を極めていくことを想像すると、11人以上が毎年プロ内定を勝ち取っていくことも頷けます。

 他の関東1部リーグの選手に話を聞いても、チームとして決まったことをトレーニングするというよりかは対人で能力を高めることが圧倒的に優先されているようです。

 

続きを読む

サッカーのシンプルな上達法

 

 今日は小学生やその保護者の方でも読んで頂きたい記事を書いてみました。

 ですがどの年代においても当てはまることなので、是非一読してもらいたいです。 

 

 

 サッカーを少しでもかじったことことがある人であれば誰でもこんなことをかんがえたことはないでしょうか?

 

リオネル・メッシ選手のようにボールコントロールが上手かったらどれだけサッカーが楽しいのだろうか?』

 

 そしてそれと同時に

 

『なんで、自分は簡単なパスやドリブルをミスしてしまうのか?』

 

 と思ったことはないでしょうか。

 

続きを読む

距離感の適切な距離は?

 「距離感がいい」

 

 サッカーの試合をテレビで見ているとよく解説者が話しているのを耳にします。

 試合会場でも、指導者の方が自チームの選手に対して

 「もっと距離感を縮めよう」

 「今日は距離感が遠い」

 と話しているのをよく耳にします。

 

 では、最適な距離感とはどのくらいの距離を表すのでしょうか?

 

続きを読む

ボールを離す重要性

 皆さんは、ドリブル成功確率が何%だと高いと感じますか?

 自分が選手であれば、100%成功を目指して練習するべきでしょうし、指導者も同様に考えるでしょう。

 ですが、実際に100%ドリブルが成功する試合なんてことはありませんし、実力が拮抗すればするほどその確率は下がっていくでしょう。

 欧州リーグの2022-23シーズンにおいては

ヴィニシウス・ジュニオール選手(レアル・マドリード) 38%

リオネル・メッシ選手(パリ・サンジェルマン) 54%

ジュード・ベリンガム選手(ドルトムント) 53%

ラファエウ・レオン選手(ACミラン) 40%

と、いうように世界のドリブラーですら成功確率が半分に到達するかしないかの世界です。

 であれば、高校生がドリブルを100%成功するのは至難の業でしょう。

 

 ですが、どうにか目の前の相手を剥がしたいことに変わりはないですよね。

 

続きを読む

番外編 Jユースと高体連の違いは?

 長年、『Jユースと高体連はどちらが良い選手を輩出する?』ということが議論のテーマになっています。

 実際、日本代表におけるJユース出身選手と高体連出身選手の割合はこのように推移しているそうです。

 

2002年 日韓ワールドカップ

Jユース 5人(21.7%)

高体連 18人(78.3%)

 

2006年 ドイツワールドカップ

Jユース 5人(21.7%)

高体連 18人(78.3%)

 

2010年 南アフリカワールドカップ

Jユース 4人(17.4%)

高体連 19人(82.6%)

 

2014年 ブラジルワールドカップ

Jユース 10人(43.5%)

高体連 13人(56.5%)

 

2018年 ロシアワールドカップ

Jユース 13人(48.2%)

高体連 14人(51.8%)

 

2022年 カタールワールドカップ

Jユース 14人(53.8%)

高体連 12人(46.2%)

 

続きを読む

偽○○で一番効率がいいのは?

 欧州サッカーを見ているとよく耳にするのが「」という単語です。

 これまでに皆さんはどんな「」を聞いてきましたか?

 

 「偽9番」はかつてスペインのFCバルセロナグアルディオラ監督が率いていた際に使われていた単語で、4-1-4-1のFWの選手(9番)が頂点にい続けるのではなく、中盤に降りてプレーすることで中盤の枚数を増やし、数的優位を形成したものでした。その際には、ただでさえシャビ・エルナンデス元選手やアンドレス・イニエスタ選手といった強烈なタレントが構成している中盤に、若きリオネル・メッシを偽9番として起用するものですから、敵チームからするとたまったものではありません。中盤を蹂躙され、弄ばれていたように感じたことでしょう。

 

続きを読む

番外編 全国総合体育大会(インターハイ)を終えて

 7月29日~8月4日まで北海道で行われた全国総合体育大会(インターハイ)にコーチとして出場してきました。

 

 個人的な感想は、『全国制覇』という目標と、『チームの理想』を両立することの難しさを痛感しつつ、冬の選手権に向けて確かな手ごたえを掴んだ大会になりました。残り少ない期間ですが、新たな取り組みをスタートさせつつ、修正すべき点はきちんと向き合って対応していきたいと考えています。

 

 さて、今回は様々な試合を見たり、対戦させて頂いた感想を少し書いていきたいと思います。

 

続きを読む