全国常連コーチによる高校サッカー戦術

高校サッカーまたはそれ以下の年代で使える戦術、原則について深堀しています。あくまで私個人の意見です。参考にしていただいたり、意見を頂けると幸いです。

【番外編】全国高校サッカー選手権大会を終えて

 

 プレミアリーグEASTを制し、プレミアリーグWESTの王者、サンフレッチェ広島ユースを倒して年間チャンピオンに輝いた青森山田が、今大会でも手堅いゲーム運びで優勝しました。

 今大会でもロングスローを中心としたセットプレーと強靭なフィジカルを武器に勝負強さを発揮していた印象です。

 賛否両論はありますが、チャンスを決めきるという点においては全国トップレベルであることに変わりはないでしょう。また、先日発表されたデンソーカップでは青森山田出身の選手が数多く招集されていました。

 

 関東選抜Aに1名

DF 内田陽介 選手 明治大学所属

 

 U-20全日本選抜に3名

DF 多久島良紀 選手 明治大学所属

MF 藤森颯太 選手 明治大学所属

FW 小湊絆 選手 法政大学所属

 

 と関東や全日本に合計で4名招集されているのはさすがとしか言えません。また、北海道、東北、北信越、高校選抜にも数多く青森山田の名前がありました。

 一概に、育成を放棄しているとは言い切れませんよね。こんな高校なかなかありません。笑

 

 さて、話は逸れましたが、私が今大会とても勉強になったチームは近江高校です。

 勝ち上がるに連れて注目度が上がり、結果は準優勝でしたから、みなさんも数試合は見たのではないでしょうか?

 

 実は、プリンスリーグ終戦近江高校VS東海大仰星高校を観戦しており、大会前から注目していました。

 というのも、同様に全国大会出場を決め、プレミアリーグ参入戦の切符を争っていたチーム同士の対決だったのにも関わらず、東海大仰星高校が手も足も出ないと言っても過言ではないゲーム展開だったからです。



 

 3-4-2-1を基本フォーメーションとし、攻撃時は主将の金山耀太選手が3バックの左を離れ攻撃参加をするという淀みを作ります。また、各ポジションの選手がドリブル技術を要し、運ぶ、剥がすを駆使して、中央、サイドを崩しにかかっていました。

 守備時には5-4-1の陣形から、敵陣では前からハイプレス、自陣では5-4-1の陣形からじっくりと攻撃を受け、カウンターに転ずる機会を待っていました。

 

 守備能力が劣るものの、圧巻の攻撃力でカバーする様は、今まで見てきたチームとは一味も二味も異なり、3-4-2-1というフォーメーションの進化系を見ることができました。

 

 また、私個人的にはやはり埼玉県の絶対王者、昌平高校が熊本県代表の大津高校との試合で見せた前半40分の同点ゴールこそが目指すべき形だなと感じました。

 

 ブロックを敷く相手に対して、ブロックの手前でボールを動かして穴を作る。

 穴の先の狭いスペースでボールを引き取り前を向く。

 その瞬間に前線の選手が反応しプルアウェイで敵から逃げる。

 足元に正確なパスを送り、敵DFがスライドする前にゴールへ打ち込む。

 まさに、点と点を繋いだような完璧な得点でした。

 

 近江高校、昌平高校は何度も見ても勉強になりますので、是非みなさんもTVerで確認してみて下さい!

 

 どのチームも新チームとなり試行錯誤があるなかで新人戦や練習試合を通してチームづくりをしているかと思います。

 個人的には、去年からの継続を土台に運ぶことを加えていくつもりです。(去年度は理解力が高かっただけに、子供たちに楽をさせてもらっていたことを痛感しています笑)

 去年に負けない素晴らしいチームを作りあげ、また全国の舞台で躍動する選手たちを見るために、今年も歩んでいきたいです。