全国常連コーチによる高校サッカー戦術

高校サッカーまたはそれ以下の年代で使える戦術、原則について深堀しています。あくまで私個人の意見です。参考にしていただいたり、意見を頂けると幸いです。

ロングスローは正当な戦い方?

近年の高校サッカーで非常に激しい論争を引き起こしているテーマが

『ロングスロー』

ではないでしょうか

 

試合終了後の監督インタビューで

「うちにハンドボールの文化はなかった」

とコメントした監督がいたこともありました。

 

全国大会やプレミアリーグの試合でロングスローから得点すると、こぞってTwitterでは育成を放棄したチームと叩かれます。

欧州の育成年代でロングスローをしているチームはない、ということも引き合いに出されていますね。

 

では、実際のところ、ロングスローは高校サッカーにおいて指導者目線で考えるとどうでしょうか?

 

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高校年代サイドチェンジ不要説

「変えるな!!」

私が自チームの選手に対して常に使う単語の一つです。

では逆になにを伝えているか。。。

それは

 

「同サイドを攻め落とせ!」

 

ということを常に練習の中で子供達に意識させてます。

 

では、なぜサイドチェンジをさせないか。

 

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3パスで王手『4人目の動き』

 皆さんは『4人目の動き』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 「3人目の動きの間違いでしょ?」と聞こえてきそうてすが、最近プレミアリーグ絶対王者マンチェスターシティや、今期好調のアーセナルらが多用しているのが、この『4人目の動き』です。

 これらのチームはこの動きを使用することで、相手の最終ラインを容易に突破し、決定機を創出しています。

 試合を見ていると、「なんでそんなとこがフリーになっちゃうの!!」というシーンが多々ありますが、この原理を頭に入れると、「これは4人目の動きを使ったからだ!」と、簡単に理解することが出来ます。

 

 では、この『4人目の動き』とは一体なんなのてしょうか?

 

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番外編 J1第15節 川崎フロンターレVS湘南ベルマーレを見て

 5月25日に、2019年の夏以来、約3年ぶりにスタジアムでJリーグを観戦してきました。

 ここ5年で毎年タイトルを獲得し圧倒的な強さを誇る王者、川崎フロンターレ(以下川崎)と、毎年残留争いはするものの、しぶとくJ1リーグで生き残る、湘南ベルマーレ(以下湘南)の神奈川ダービーでした。

 Jリーグは日頃からあまり見ないので、絶対王者の川崎が勝つんだろう、と思いながら等々力へ足を運びました。

 ところが結果は大違いで、湘南の圧勝でした。

 

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サッカーの原則④ ボールは見るな!

 サッカーをしていれば、『キックの時はしっかりとボールを見なさい』というアドバイスを何百回と聞いてきたのではないでしょうか。ボールの中心をとらえることで綺麗な回転のボールや力強いボールを蹴ることが出来ます。だからこそ、最後までボールを見ることは非常に大切です。

 しかし、いつまで経ってもボールを見て蹴りなさいというのは、その選手のレベルアップを引き留めているように私は思えます。

 

 サッカーをする環境のレベルが上がれば上がるほど、敵のボールに対するプレススピードは上がり、インターセプトのスキルも上がります。

 

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前からプレスをかけられた時の対処法

 ビルドアップをする際に前からプレスをかけられることは、一番ストレスに感じることではないでしょうか。特に自陣でボールを保持している時にプレスを掛けられてしまうと、ボールを失う=決定機を作られるということが頭の片隅にある為、どうしても焦ってしまいますよね。

 最近ではバイエルンミュンヘンリヴァプールといったトップレベルでプレーする前線の選手ですら、チームのために全速力でプレスをかけてボールを奪いにいくシーンを度々見かけます。

 

 では、そのような脅威に感じる前からのプレスをどのように剥がしていくことがよいでしょうか?

 

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ポゼッションは三角形で解決する

 ジュニアユースに入って一番最初に習った戦術的要素はポジショニングの基本である『高さ、幅、深み』をとることでした。

 実際に練習や試合で意識してみると、プレーに余裕が出て面白いなと感じたのをよく覚えています。

 今教えている高校生の選手たちも、そういったポジションを無意識に取ろうとするので、J下部だけでなく、町クラブや中体連でもそういった指導が行き届いているのだなと感じます。

 言い方を変えれば、とりあえず『高さ、幅、深み』を取りなさいとだけ習ってきたばっかりに、それしか出来ず、それをしなくてもいい場面ですらしてしまう選手がたくさんいる状態です。

 

 さて、本題に戻りますが、『ポゼッションは三角形で解決する』ということについて話していきたいと思います。

 

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