皆さんは『4人目の動き』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「3人目の動きの間違いでしょ?」と聞こえてきそうてすが、最近プレミアリーグの絶対王者マンチェスターシティや、今期好調のアーセナルらが多用しているのが、この『4人目の動き』です。
これらのチームはこの動きを使用することで、相手の最終ラインを容易に突破し、決定機を創出しています。
試合を見ていると、「なんでそんなとこがフリーになっちゃうの!!」というシーンが多々ありますが、この原理を頭に入れると、「これは4人目の動きを使ったからだ!」と、簡単に理解することが出来ます。
では、この『4人目の動き』とは一体なんなのてしょうか?
『4人目の動き』とは文字通り、4人が絡んで行われるプレーです。
分かりやすくサイドのプレーヤーは置いていませんが、試合でよくありそうな局面です。
ボランチの選手がボールを持った時に近くに2人のトップ下と、ワントップが最前線にいます。
このひし形の配置が出来ていれば、あとは3回ボールを動かすだけです。
①縦パスを最前線の選手につける。
注意したいのは、この図のように最前線のワントップが、多少落ちてくることがポイントとなります。
落ちる目的は、ワントップが落ちることで、敵のセンターバックがボールを奪いにくる=センターバックがいた場所を意図的に空ける
です。
また、最前線にボールが入ったことによって、トップ下を捕まえていた2人の敵ボランチは、ボールに意識がいってしまい、つい自分のマークとは逆方向に体か向いてしまいます。そのことによって、2人のトップ下はフリーになることができます。
②サポートに入ったトップ下に落とす
敵の死角になったことで、左側にいたトップ下はマークより一瞬早く、サポートに入ることが出来ます。
ワントップの選手がそこへ正確に落としのパスをすることで、元々トップ下を捕まえていたボランチや、余っていたもう1人のセンターバックも少し引き出すことが出来ます。
これにより敵のセンターバック2人は前がかりになっています。
③空いたスペースへもう1人のトップ下がスプリント
ここで4人目の登場です。完全に話から外されていた右側のトップ下ですが、先程の2本のパスによって彼を捕まえていた敵ボランチは完全に体の向きが変わっているため、フリーとなっています。
そしてこの2つのパスの間に、この選手が狙うのは、ワントップがセンターバックを引き出して作った、広大なスペースです。
一気にスプリントをすることで、フリーでランニングし、最後のラストパスを受けたときには、誰もマークについていない、という状況の出来上がりです。
実際に私が教えている高校生達にもこれを教えていますが、抜け出しの回数が極端に増えました。また、普通の抜け出しとは異なり、スプリント勝負(足の速さ勝負)ではなく、タイミングと技術で補えるものなので、足が速くない選手であっても裏抜けすることが増えました。
もちろん『4人目の動き』だけでは毎度崩しきることは出来ませんが、一つのアイディアとして、引き出しとして、持っておいたほうが良い連携プレーであることに間違いはないです。
是非皆さんも選手に落としこんでみたり、味方プレイヤーと練習してみてはいかがでしょうか?