7月29日~8月4日まで北海道で行われた全国総合体育大会(インターハイ)にコーチとして出場してきました。
個人的な感想は、『全国制覇』という目標と、『チームの理想』を両立することの難しさを痛感しつつ、冬の選手権に向けて確かな手ごたえを掴んだ大会になりました。残り少ない期間ですが、新たな取り組みをスタートさせつつ、修正すべき点はきちんと向き合って対応していきたいと考えています。
さて、今回は様々な試合を見たり、対戦させて頂いた感想を少し書いていきたいと思います。
改めて重要なサッカーの要素だと感じたことは、『個のクオリティ』です。
千葉県の代表として出場していた市立船橋高校の郡司選手を始め、圧倒的な個の力で敵の守備機能を崩壊させる選手が複数名見られました。
どんなに対策を立てようとも、個で目の前の敵を剥がしてしまえば、すぐに数的優位が発生し、チームとして優位に立てます。
今大会準優勝した神奈川県代表の桐光学園の松田選手もその一人で、プレミア勢の尚志高校を相手にしても、一人二人と敵を剥がしてチャンスメイクしていくプレーは圧巻でしたし、U18日本代表に召集されるのも頷けました。
大学サッカー界で常にトップに君臨する明治大学の選手と話しをしても、トレーニングメニューは常に対人。1vs1、2vs2、3vs3だけで1時間以上トレーニングが進むこともざらにあるそうです。
ピッチに立つ11人が、目の前の相手に負けなければ、試合で負けることはない。という理論ですね。
ボールを動かし、チームとして構築することにこだわってきたばかりに、対人能力の強化にどうしても力を注げなかったことは私としても反省しているところです。
チームとして多かった戦術は、ロングボール、ロングスローでゴール前にいち早くボールを送り、セカンドボールを回収し攻撃につなげるチームがほとんどでした。
ここに関しては以前も書いたように好みは分かれますが、『勝つ』ことを目指す上では、低いリスクで高いリターンが望めるこの戦術は圧倒的に有効だったと思います。
対戦したチームによって多少の違いはありましたが、そういったロングボール主体のチームに対して、焦れずに跳ね返し続け、拾ってマイボールにする作業を地道に続けれるか、もしくは蹴りあいでどっちが先に崩れてしまうかが、勝負の分かれ目だったように感じています。
そういった意味では、守れるセンターバックを置くチームが増えている育成年代のトレンドも納得です。
今大会は、静岡学園、神村学園といった、技術を売りにするチームが早い段階で敗退するという波乱もあった為、盛り上がりに欠けてしまった印象があります。正直、ピッチコンディションは最悪で、特に天然芝のグラウンドは、天然芝というよりも広場の草という印象でした。地面もデコボコ、ピッチに穴は空いている、草は長すぎる、、、ジャイアントキリングが発生しやすいコンディションだったと思います。
ただ、条件は同じですので、どのチームもぐっとこらえて冬のリベンジを誓っていた印象ですし、我々も同様です。
夏の覇者、明秀日立は青森山田や静岡学園をも突き破る強烈なカウンターパンチを兼ね備えた守備のチームでした。
冬の選手権ではどのようなスタイルのチームが、どのような選手が『全国制覇』を果たすのか。
私も本気で『全国制覇』を目指して選手とともに活動していきたいと思います。